売れないものは良い商品じゃない
いい仕事とは何か
あなたが仕事をするうえで、最も重視しなければならないのは、「かけたコストを上回る利益を上げること」。
これに着きます。利益よりコストが高くつくなら、その仕事はしないほうがまし。会社の資産を食いつぶしているあなたは、存在しないほうがいいことになります。こんな意地悪を言うのは、会社勤めをしていると、自分の仕事の費用対効果に鈍感になってしまう人があまりにも多いからです。
たとえば出版関係者なら「いい本を作りたい」と考えるのは当然です。読者としてもいい加減な本づくりはしてほしくありません。しかしそこで言う「いい本」とは何なのか。もし「さほど売れなくてもいいから質の高い本を」などと言うのであれば、絶対にNOです。ヒットして少しでも多くの読者に読まれるのがいい本のはず。たくさん売れれば、それだけ制作コストは圧縮出来て、その分出版社に利益がもたらされます。出版社にお金が残れば、そのお金で次に余裕のある本づくりもできるようになり、その本も売れる。これが理想の形です。自分が会社にお金を残さずに、その会社のお金を使って自己満足のいい本とやらを作りたがるのは本末転倒でしょう。
テレビ局でいえば、視聴率が取れてスポンサーからお金をたくさんもらえるのがいい仕事。「いい番組だ」と褒められたからと言って、ボーナスアップするわけではありません。
費用対効果を考えよう
いい仕事をするのに、自己満足ではダメ
言い方を変えれば、公務員以外のあらゆる仕事は費用対効果さえ考えれば成功するということです。自分の給料はいくらなのか。自分の使う経費はいくらなのか。それに対して自分の売り上げはいくらなのか。売り上げが上回っていれば、あなたの存在価値はあるし、そういう人が集まっていれば会社は安泰です。
こうした基本的事項を頭の中でクリアに整理できない人は、アイディアを出す段階から間違えます。たとえば服飾関係で、いくらかっこいいジャケットを考えても、使う生地がバカ高くては会社にお金は残りません。それよりも安い布を使って、大ヒットする下着をつくった人のほうが偉いのです。
また、個人の費用対効果に思いがいたらない人は、「一人くらいさぼっても平気だろう」と、ほかの人が頑張っているのを横目に喫茶店で漫画を読んだりしています。しかし会社はその人の価値をちゃんと費用対効果で計算しています。それに気づかないのは本人だけなのです。
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